MIDIが登場するより前の時代、アナログシンセサイザーが主流の時代は、各メーカーが独自の方式で制御していたため、制御に関する統一はされておらず、シンセサイザー同士を接続した使用には問題が多かった。
そのため複数の電子楽器を、それらが異なるメーカーの製品であっても連動して演奏・操作することを目的として、日本の電子楽器メーカーが中心となってMIDIという新規格を作成しだした。
その後、海外メーカーと協議・検討しMIDIが誕生、策定された。
1982年1月にアメリカで行われた会合で、最初のMIDI仕様が誕生した。
これらの内容は同年10月にアメリカの専門誌上で初めて一般公開された。
MIDIは主に音楽制作に利用される。
MIDI規格に沿って作られたデータ、すなわちMIDIデータは、DAWをはじめとしたシーケンサーなどで扱うことができる。
これらMIDIデータによって送られる情報は、実際の音ではなく音楽の演奏情報(発音せよ、音の高さは0、音の大きさは0、といった楽器や音源へのメッセージ)であるので、そのデータサイズはオーディオデータ、つまりマイクなどで録音された実際の音の波形をデジタル化(サンプリング)したものに比べて非常に小さい。
現在、MIDIは音楽制作の現場のみならず、通信カラオケ、携帯電話の着信メロディの制作などで幅広く利用され、電子楽器以外にも劇場の舞台照明のコントロールなどにも応用されている。
また、MIDI規格の存在とパソコンの普及はホビーとしての音楽制作(DTM)を一般化した。
MIDI規格は、ハードウェアとソフトウェアの両分野にまたがり策定されている。
ハードウェアとはMIDIインタフェースや送受信回路・端子に関する分野、ソフトウェアとはMIDIデータフォーマットに関する分野である。
さらに、MIDIの普及に伴いRP(Recommended Practice、推奨実施例)という拡張規格も策定された。
音色配列などを厳密に定めたGMシステムレベル1や、劇場の舞台照明をコントロールする規格(MIDIショーコントロール)も、このRPに含まれる。
MIDIはJIS(日本工業規格)によって以下のように規格化されている。
X 6054-1 電子楽器デジタルインタフェース(MIDI)- 第1部:総則
X 6054-2 電子楽器デジタルインタフェース(MIDI)- 第2部:プロトコル仕様