MIDIには、31.25Kbps (±1%) の非同期方式シリアル転送を用いている。
MIDI機器(ハードウェア)は5ピンのDINコネクタで接続するのが一般的で、音響用のストレートケーブルではなくクロスケーブルが用いられる。
ケーブルの両端はどちらもオス端子で、これをMIDIケーブルと呼ぶ。
なお、両端に位置する1番ピンと3番ピンは現在の仕様上では使用されず、主に中央の3本のピンが使用される。
コネクタには、MIDI信号を受け取るMIDI IN、MIDI信号を送信するMIDI OUT、受信したMIDI信号をそのまま送信するMIDI THRUの3種類がある。
機器パネル側は常にメス端子となる。
各端子の信号はフォトカプラによって一旦光信号に変換される仕様になっており、この段階で信号のロスを生じる。
これが原因となりMIDI機器を多段に接続すると通信エラーが発生することもある。
複数のMIDI機器を接続する場合、信号系統を簡単に切り替えたい時はMIDIパッチベイを用いるが、これを使うことにより多段時の通信エラーも回避できる。
MIDIはバスではない。
MIDI IN端子とMIDI OUT端子が別々で用意されていることから判るように、MIDIケーブル間のデータは一方向に送信される。
後述するアクティブセンシング機能で、接続状態が良好か、断線していないかを常に判定しており、アクティブセンシングが途絶えたとき、お互いのMIDI機器はケーブルが抜けたと判定するように作られている。
現代には、MIDI IN、MIDI OUTを使わずRS-232C、USB、IEEE 1394などの規格を使った接続を行う機器も存在している。
この場合、MIDIケーブルではなくこれらの規格のケーブル内をMIDI信号が通るため、転送に関して上記の通りではない。
2本のMIDIケーブルを用い、お互いの機器のMIDI IN、MIDI OUTをそれぞれつないだ状態を1つの「システム」と捉える。
このシステム毎に16のチャンネルが用意される。
基本的にひとつのチャンネルにひとつの楽器(1パート)が割り当てられる。
これにより、1本のMIDIケーブルには16チャンネル分のデータを送受信させることができる。
例えば「1チャンネルのピアノと3チャンネルのギターを鳴らす」といったことである。
16チャンネル分のデータは、後述する「チャンネルメッセージ」にて正確に分類され、相手機器の各チャンネルに届く。
それ以上のチャンネルを制御するためにはMIDIケーブルが複数本必要となり、MIDIデータのパート数(=チャンネル数)によっては、複数のMIDI音源を用意する必要もでてくる。